時をこえて、またキミに恋をする。
どうやら古関先輩は、たまたまやってきたこの校舎裏で、宗治と板東くんとのやり取りを陰から見ていたようだ。


そして、宗治が木の枝をまるで刀のように使い、板東くんを追い払うところを見て、声をかけずにはいられなかったのだと。


「たしか、高倉のいとこなんだよね?」

「…あ、はい…まぁ」


…そういう設定です。


「転校してきたって聞いたけど、前の学校でも剣道を?」

「いや…、べつになにも。幼い頃から剣術を教わってきただけで」

「剣術…?まるで、お侍みたいだね!」


にこやかに笑う古関先輩だけど、わたしは2人の会話を聞きながら、内心ヒヤヒヤしていた。

さっきの現場を剣道部の古関先輩に見られていたことによって、ただの素人ではないとバレていないかが心配で。


だけど古関先輩は、なにも宗治を疑う様子はなかった。
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