時をこえて、またキミに恋をする。
まさかあんなことが起きるだなんて、思ってもみなかった。



それは、ゴールデンウィーク初日を迎える朝方のこと。


この日は、なぜか朝の5時に目が覚めてしまった。

今日から連休だし本当はもっと寝たかったけれど、目をつむってもなかなか眠れなかった。


なので、仕方なく起きることに。


それなら、早起きして朝ごはんでも作って、お母さんたちをびっくりさせよう。

そう思って、わたしは1階へと下りた。


当然のことだけど、だれもいない1階は暗かった。

まずは雨戸を開けようと、縁側へ向かう。


少々立て付けの悪い雨戸を力いっぱい横へ押すと、雲のかかった空が見えた。

今日の天気はくもりで、空が少し白んでいるのがわかるくらいの明るさ。


だからこそ、すぐ目にとまった。

ウチの庭である神社の敷地内には似つかわしくない、赤紫色の光を――。
< 9 / 279 >

この作品をシェア

pagetop