とある蛇の話

運命が変わりだす


天界の世界でも、桜はある。




「桜の匂いって、独特だな………」




校門前にさしかかっていた、矢先ーーその木は見えた。




満開に花びらを散らす、10回建てでも届かないであろう、巨大な桜の木が。




お姫様が住み込んで、召使いたちに手を焼かせているのであろうと想像させる豪華なお城に、ちょっと異質なものが混じってる。




校門も、綺麗なダイヤが幾千も使われており盗られないようにするためか屈強なボディーガードが二人立っているぐらいだ。





「友達……できるのかな?」




つい一週間前、爺さんを亡くした。




その心の傷は、安安と消えることはない。




いままで良くしてくれて、尚且つ僕のありのままの姿をおっくる事なく、受け入れてくれた初めての人だったから尚更だ。



周りには恐ろしほどの純白が生えた羽を持つ美しい子どもたちばかりで、思わず目をすぼめてしまう。



ーーきっと大丈夫みんな僕のことを、受け入れてくれるさ。



心にそう嘘を貼り付けて、桜舞い散るこの学園に一歩足を踏み入れた。

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