とある蛇の話
学園の格差
早速体育館で、入学式が開催された。
まぁ、体育館と言っても赤いレッドカーペットが一面に使われた豪華な床下に、20個はあろうシャンデリアに囲まれる豪華な体育館。
壁にはステンドグラスが飾られており、壁には妖精をかたどったガラスの銅像が6つ取り囲んでいた。
所々、魔法陣なんかもかたどられていてこんな豪華なところでどうやって運動の授業を教えているのだろうと不思議に思う。
だけれど、はしゃぎ嬉しい時間はここまでだったのかもしれない。
豪華な椅子が百ぐらい並べられているのだが、色分けされていたのをみてしまったからだ。
一級天使は金色の椅子、二級天使は、緑色の椅子、三級天使は黒色の椅子ーーーそう学級の生徒の中で差別化されているのを僕は目の当たりにしてしまった。
「アロマロスは今、何級ですの?」
体育館前に集合し、整列をしていた矢先同級生の女の子であろう天使が隣の女の子と話していた。
髪の毛は短くふわふわとした髪質なのにもかかわらず、その目は何処か差別的で、競争心を煽ってきているような口ぶり。
隣りにいた、黒髪の純白したドレスを纏った天使が真っ黒な瞳で笑う。
それは何処か、悲しい気持ちに押し潰されたかのような濁った目をして。
それを見た瞬間、僕は気分が悪かった。
ーー階級なんてものは、誰だって聞かれたら気分悪いのにどうしてわざわざこの人は聞いてくるの?
少しだけため息をついてしまいそうになったけれど、僕はぐっと堪えて黙り込んだ。
「やだー、マロル様。長年の付き合いだというはずなのに。冗談はよせ。私は貴方には及ばない三級天使。下階中の下階だぞ?」
「下階中の下階ね………でも貴方は、マイペースだから、それもいいかも知れないわね。一生そうかもしれないけど」
最後に嫌味をチクリと、零すあたり本当に天使なのか疑ってしまう。
だけど、真っ白な羽が生えている限り本物なんだろう。
世の中見た目だけじゃ、本質ってのは分かりづらい。
どうやら話を聞いてみたら、ここは幼稚園からの階級制度を取り込んでいるためか、同じクラスメイトがそのまま引き続きをしていくシステムらしい。