とある蛇の話
「お前、そんな事があったのか。辛いな……子供ながらよく耐えたほうだな」
ーーあれ?信用されてる?
「貴方は表情に全て、ありとあらゆる感情が出るタイプなのね。嘘をついている気もしないし、面白い人ね。貴方。友達になってくださる?」
また笑顔で、上級天使に手を差し出された。
「私からも、お願いだ。お前のことをよく知りたい。面白いやつだからな。興味深い」
そう肩を組まされ、身を寄せられた。
ーーもしかして、蛇ってバレてないし歓迎ってやつだからいいスタートをきれてるのでは!?
僕はこのとき、単純すぎた。
実は学園内で、僕はとっくの昔に「天界から通報されている忌まわしき蛇族」という噂が流れ着いていたことを知らなかったのだ。
この天使二人が、悪巧みして遊ぼうとしているのを僕はその時油断してきずかなったのだ。
「よろしくお願いします!!」
軽々しく出された、手を握りぎゅっと掴まれた僕の手。
反対側の上級天使の手には、特殊な魔法陣が仕組まれておりーーー。
その魔法陣から僕の身体を巡り、透明な光が首筋を通ったあとだった。
蛇の鱗がびっしりと二人の目にはっきりと見えていたことを、僕は知らなかったのだ。
二人は悪魔のような笑みを僕に向けているのを、僕はそれを歓迎の笑みだと勘違いして受け入れられていたと笑っていた。
本当に馬鹿だったと思う。
悔しい限りだった。