とある蛇の話

欺き

極端な話、僕は1週間もしない間にいじめに遭った。


授業もそれなりにできていたのにもかかわらず、僕の正体というのはあまりにも噂で立ちすぎていたのもある。



だけど、首筋に変な呪をかけられて蛇の鱗が出てしまう魔法をかけられてしまった時からだろう。




皆に指をさされて囃し立てられることが多かった。



先生にも理不尽な対応をされて、クラスメイトからトイレに隠れてお弁当を食べるしかない。


先生にも不快な目で見られてしまった故に、クラスで浮いてしまって、ヒソヒソと噂話をされる羽目になっているんだ。


水を上からかけられるといった暴挙を受けた。



ケタケタとおぞましい笑い声の中に、あの子供上級天使の声があった。




「貴方……私が良くしてくれるとでも思いましたの?下民の通報された蛇族の末裔だったとは、とんだ恥さらしですわね。私達のためにも消えて差し上げてもらえないかしら?」




周りの子分の天使たちもいるんだろうな。




また耳が痛くなるような、高らかな笑いで僕の心を潰してくる。



騙されてしまった、気のゆるさや頭の弱さを僕はものすごく僻んだんだ。




もう手遅れで、何もやり返すこともできないクズ野郎であることは変わりないんだけど……。




「出てこいよ!!下級蛇族!!お前の髪の毛、カミソリで剃ってやるよ!!」





ロングで美しい鈴の音の声をした、中級天使が個室のドアを蹴った。



ーー髪の毛を……剃る!?
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