とある蛇の話
僕にとって、これ以上身なりをおかしくさせられるのはとても苦痛でたまらない。
学校でさえ、皆に指をさされて卑屈な思いをしているのに……。
ありとあらゆる服を、剃刀や裁ちばさみで切り捨てられたから、もう本当に嫌だ。
先生達も僕のそんな哀れな姿を見て、笑っているだけという最悪な状況が目に浮かぶ。
ーーーそうなるくらいなら………っ!!!
これ以上、身が焼けるほどのはずかしい思いをするのならと僕は急いで、首元にあったペンダントを握りしめ願った。
「お願い………!!僕の森に返して!!帰りたい!!」
このペンダントの鍵は、1日に1回だけ魔法が使える。
魔法が使えると言っても、テレポートする力を持っているだけだ。
それは守護者である、僕という対象だけにしか使えない特別な魔法。
光が淡い色に変色し、歪んだ世界を一変して緑の世界にいざなう。
足裏に砂利が混じる、感触が感じられたらもうそこは僕が知っている家の前だった。
「……もう嫌だ……なんでこんな事に……」
この学校は天使上級者主義の学校で、階級が低いもの、人外であるものは奴隷として働かされるという残酷なシステムがある。
奴隷は休むことが許可されていなくて、1日でも休めば退学になってしまう異常なシステムなのだ。
だからこそ、毎日学校に通わなければならないし上級天使のいじめを受けなければ、奴隷としての仕事をしていないとみなされーー。
「僕は天界の住人として、権限を持たないと言うのっ……!!悔しいし、信じて気を許してしまったのが腹立しい……!!」