とある蛇の話
転生……?
*
「っぷはっ!?」
目覚まし時計に叩き起こされて、急いでベッドから背を上げるように、僕は飛び起きた。
背を上げてみると、そこは海の浜辺近いところだった。
近くにいた水着を着た、小さな女の子。
「ギャァァァーーー!!!」と雄叫びを開けて僕の元から去っていく。
ーーー………あれ!?人間!?どうして!?
驚くことは、実に容易いことだった。
人間と天界人の変化は、独特な匂いで区別が出来るからだ。
人間は動物臭い匂いで、天界住人は甘い果実をもぎ取ったような嗅覚をつく。
ここは全体的に、ものすごく人間臭い。
移動してきた先が天界だと思っていたからこそ、驚きも2倍だ。
手をかざそうとするけれど、どこにも手は出てこなくてーーー。
ーーー………なんか、鱗が多くない?
体全身を見渡そうと、グルグル視界を巡らすけれど手足が見えないどころか、自分の胴体も見えない。
嫌な予感がしたから、海に映し出された僕の姿をゆっくり見る。
細長い胴体は、手足は密着して人間の形をしていなかった。
頭だと思われるその顔は、鋭い赤い瞳孔を宿すつり上がった眼球が2つ埋め込まれている。
ーーー白い………蛇?
右に首を動かしてみた。
同じ様に動く。
尻尾を両サイド振ってみる。
怖いぐらいにシンクロしてる。
「えっーーーー!?!?!」
人間界に来たと思ったら、蛇に転生していたみたい………。
悲しい雄叫びも虚しく、激しいかすれたような声しか出ない。
蛇に確かに声帯というものは存在しない。
だからこそ助けを求めようとしても、誰も手を差し伸べてくれる人は居ないわけで。
「おぉ!!なんじゃお前!!」
釣りをしているおじさんに捕まって、餌にされそうになったりーー。
「警察ですか!?蛇が娘に噛みつこうとしてるんです!!」
凶暴で毒蛇だと、親子連れのお母さんに勘違いされたりしてーーー。
ーーー助けを求めてるのに、誰も助けてくれないよ………酷い………!!
ヘトヘトになって、走って逃げたような疲労が僕を襲ったのは夜中の十二時だった。
薄暗い住宅街は不気味で、仲間一人いたりしない空虚とした田舎町。
天敵である猫も、数匹うろちょろしていたから良からぬ考えが広まる。
ーーこのままじゃ、食べられちゃうかもしれない……何処かに雨宿りみたいな場所見つけないと………。
天界に帰りたいという欲求や焦りになんとか蓋をして、とある古民家の敷地内にひれ伏せる。
ーーー電気ついてないし………誰もいないよね。中庭っぽいけど疲れちゃった………。寝よう……。
「っぷはっ!?」
目覚まし時計に叩き起こされて、急いでベッドから背を上げるように、僕は飛び起きた。
背を上げてみると、そこは海の浜辺近いところだった。
近くにいた水着を着た、小さな女の子。
「ギャァァァーーー!!!」と雄叫びを開けて僕の元から去っていく。
ーーー………あれ!?人間!?どうして!?
驚くことは、実に容易いことだった。
人間と天界人の変化は、独特な匂いで区別が出来るからだ。
人間は動物臭い匂いで、天界住人は甘い果実をもぎ取ったような嗅覚をつく。
ここは全体的に、ものすごく人間臭い。
移動してきた先が天界だと思っていたからこそ、驚きも2倍だ。
手をかざそうとするけれど、どこにも手は出てこなくてーーー。
ーーー………なんか、鱗が多くない?
体全身を見渡そうと、グルグル視界を巡らすけれど手足が見えないどころか、自分の胴体も見えない。
嫌な予感がしたから、海に映し出された僕の姿をゆっくり見る。
細長い胴体は、手足は密着して人間の形をしていなかった。
頭だと思われるその顔は、鋭い赤い瞳孔を宿すつり上がった眼球が2つ埋め込まれている。
ーーー白い………蛇?
右に首を動かしてみた。
同じ様に動く。
尻尾を両サイド振ってみる。
怖いぐらいにシンクロしてる。
「えっーーーー!?!?!」
人間界に来たと思ったら、蛇に転生していたみたい………。
悲しい雄叫びも虚しく、激しいかすれたような声しか出ない。
蛇に確かに声帯というものは存在しない。
だからこそ助けを求めようとしても、誰も手を差し伸べてくれる人は居ないわけで。
「おぉ!!なんじゃお前!!」
釣りをしているおじさんに捕まって、餌にされそうになったりーー。
「警察ですか!?蛇が娘に噛みつこうとしてるんです!!」
凶暴で毒蛇だと、親子連れのお母さんに勘違いされたりしてーーー。
ーーー助けを求めてるのに、誰も助けてくれないよ………酷い………!!
ヘトヘトになって、走って逃げたような疲労が僕を襲ったのは夜中の十二時だった。
薄暗い住宅街は不気味で、仲間一人いたりしない空虚とした田舎町。
天敵である猫も、数匹うろちょろしていたから良からぬ考えが広まる。
ーーこのままじゃ、食べられちゃうかもしれない……何処かに雨宿りみたいな場所見つけないと………。
天界に帰りたいという欲求や焦りになんとか蓋をして、とある古民家の敷地内にひれ伏せる。
ーーー電気ついてないし………誰もいないよね。中庭っぽいけど疲れちゃった………。寝よう……。