愛を奏でるワルツ~ピアニストは運命の相手を手放さない~
第六章 運命の相手と愛を奏でて
シャワーを浴びてタオルで身体を拭きながら大きな鏡の前に立つと、身体中にキスマークがつけられていた。
とてもではないが、Vネックの服ですら着られそうに無い。
昨夜は激しいというよりレンの悲しみや憤りを感じて、彼の気持ちが落ち着くまで我慢しようと思った。
せめてそれくらい受け止めたいだけだったが、我に返ったレンに謝られてしまった。
その後はただ二人で抱き合って眠った。
まだ私の想いが伝わっていないのは、覚悟が決まっていないからだろうか。
中途半端な自分自身に、どうすべきなのか考えていた。