俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
「どうして知ってるんだ」

「麗子さんがお見舞いに来てくれたんです、恋人に振られて、兄のように慕う蓮さんに頼ったって聞きました」

「あの時会社に来たなら声をかけてくれたら良かったのに」

美希の表情がちょっと強張った。

「そうでしたね、気がつきませんでした、慰めてあげてください、女の子は弱いんですから」

「美希は弱くないのか」

「おばさんは強いんです」

この時人一倍か弱い美希に気づいてあげる事が出来なかった。

モデルの騒動の時も、嫌だったと泣きじゃくったのに、俺はこの時そこまで気が回らなかったのだ。

「麗子に連絡取って見るよ」

俺が麗子と呼び捨てすることに、入り込めない関係だと思い込んだことなど感じ取る事は出来なかった。

俺は病室を後にした。

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