俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
「俺は麗子を裏切ってなんかいない」

俺は美希の病室のドアをバタンと思いっきり閉めてマンションへ戻った。

「蓮さん」

美希の俺を呼び止める声は俺には届かなかった。

俺は冷静さを失っていた。

望月の存在はありがたいと思いながら、いつも美希の側にいる奴の存在は脅威でしかなかった。

いつか美希を取られるんじゃないかと脅えていたのは事実だ。

美希の側にはいつも蓮也がいる、まさか蓮也と一緒の時に変な気は起こさないだろうと思っていた。

まさか、入院中の病室で密会かよと、俺は恐怖を感じていたことを目の当たりにしてショックを隠しきれない状態だった。

いや、ただ話していただけなのに、キスしてたんじゃないか、望月と抱き合っていたんじゃないかと、良からぬ妄想が消えない。

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