俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
第二十六章 記憶がない蓮
担当医師は蓮への問いかけを続けた。

「鏑木蓮さんです、車で事故を起こして、車外に投げ出された時、強く頭を打ったので、
一時的に記憶障害を起こしているだけです、ゆっくり治療していきましょう、まずは
身体の怪我の回復を優先しましょうね」

先生はゆっくりと蓮に説明した。

そして、美希に手招きをした。

「鏑木さん、こちらが奥様ですよ」

先生は美希を蓮の前に進み出るように促した。

美希は美蓮を抱っこしたまま、蓮の前に進み出た。

「蓮さん、美希です」

蓮は美希の顔を見上げた。

その時、美蓮が蓮の顔に手を伸ばした。

「あう」

蓮は美蓮にニッコリ微笑んだ。

「名前は?」

「美蓮です」

美希はすかさず答えた。

その時、美蓮が「パっパ」と言葉を発した。

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