俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
「東條さん、蓮さんが行方がわからないと聞きましたが……」

「病室を抜け出したようなんです」

「なんで、記憶が戻ったんですか」

「いいえ、多分奥様に会いに行かれたんだと思います」

「私にですか」

美希は驚きの表情を見せた。

まさか、記憶が戻らないのに、私に会うために病室を抜け出すなんて。

「あのう、社長から着信はなかったでしょうか」

「えっ」

「実は二、三日奥様が病院に来られない時、仕切りに奥様のことを気にされていたんです」

美希は着信があったことだけ確認して、慌てて病院に駆け付けたのだった。

今一度確認すると、何十回も着信があって、留守電も入っていた。

「美希、会いたい」

「蓮さん」

「社長は記憶が戻らなくとも、無意識に奥様を求めていたんですね」

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