俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
「でも、マンションとかわからなくて、蓮さんは今どこにいるんでしょうか」

東條は蓮のスマホを確認すると、病室に残ったままだった。

「慌てて、出て行かれたのでしょう」

蓮さん、ごめんなさい、私がもっと早く気づいていれば、こんなことにはならなかったのに……

美希はまた涙が頬を伝わった。

美蓮は美希の頬を撫でてあげるような仕草を見せた。

「美蓮様が泣かないでっておっしゃってますよ」

「美蓮、ありがとう、ママ泣き虫じゃだめね」

その頃、蓮は当てもなくふらふら歩いていた。

その時「パパ」と蓮を呼ぶ声に気づいた。

蓮也だった。

蓮は無意識に蓮也の幼稚園に足を運んでいた。

蓮也と通い慣れた幼稚園までの道のりだった。

「蓮也、ここ、蓮也の幼稚園か」

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