俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
「この間、取引先のパーティーがあっただろう」

「はい」

「その時、ある女性が俺に話しかけてきたんだ」

美希は黙って聞いていた。

「真弓さんだ」

美希の顔色が変わった。

「俺は全く記憶がなくて、真弓さんの話によると、美蓮を出産した時、
美希はマンションを出て行き、離婚届を送ってきたと、美希が留守の間、
蓮也のベビーシッターを引き受けて、その、なんだ、つまり俺と男女の関係になったと
言われた」

美希は手を小刻みに震わせていた。

「そうなのか」

「真弓さんと男女の関係になったかどうかは、私にはわかりません、
でも、蓮さんは否定していましたよ」

「でも、身体を重ねた事実はあるんだよな、どうして美希は許してくれたんだ」

「それは……」

美希は言葉を詰まらせた。

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