俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
蓮が心配していた通り、美希が働き出してから、その喫茶店は客が倍増した。

優しい言葉づかい、心癒される笑顔、そして、たわいない会話。

「美希ちゃん、美希ちゃんが働いてくれるようになって、お客さんが増えたよ、
感謝してるよ」

そう言ってくれるのは喫茶店のマスター、八神光一だ。

八神は妻に先立たれた五十五歳の男性だ。

「私なんかを雇い入れていただいて、私の方こそ感謝しています」

「これからもよろしく頼むよ」

美希はほとんど毎日のように働いていた。

そのうち、土日もどちらか出てほしいと頼まれて、蓮に相談した。

「あのう、土日どちらか働いてほしいと頼まれたんですが、蓮也と美蓮をお願いできないでしょうか、午後から三時間ほどなんですが……」

「そんなに頑張らなくてもいいんじゃないか」
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