俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
美蓮の魅力に自分の気持ちを抑えるのが必死だったのに、ここで抱きしめたらもう後戻りは出来ない。

「美蓮様、マンションまでお送り致します」

「帰らない、東條のマンションに行きたいの」

「いけません、そんなことしたら俺は……」

「俺は何?」

「さ、社長が心配されています、帰りましょう」

東條は美蓮をエスコートして、蓮の待っているマンションへ送り届けた。

「遅くなりました」

「ご苦労だったな」

美蓮は東條になにも言わずに、さっさと自分の部屋に入った。

キッチンから美希が出てきた。

「東條さん、ご苦労様でした、美蓮ったらお礼も言わずにごめんなさいね」

「とんでもありません」

その時、美希は東條の口元の傷に気がついた。

「東條さん、その傷どうされたのですか」

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