俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
美蓮にキスをされて、抑えが利かなくなったら今頃俺は……

そう思うと恐ろしくなった。

しっかりしろ、年甲斐もなく、こんなにドキドキして……

それから美蓮は二十歳を迎えた。

東條の美蓮の送り迎えはずっと続いていた。

そんなある日の夜、美蓮は東條のマンションに向かった。
「美蓮様、どうされたのですか」

「東條、今日東條のマンションに泊めてくれる」

「それはいけません、社長に叱られます」

「私はもう二十歳よ、子供じゃない」

美蓮は東條に抱きついた。

「美蓮様」

「お願い、少しだけこのままでいて」

美蓮の心臓の鼓動が伝わってきた。

東條の心臓の鼓動も警鐘を鳴らしている。

美蓮は東條の顔を見上げた。

少しずつ、二人の唇は接近し始める。

そして、唇は重なった。

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