俺様御曹司は十二歳年上妻に生涯の愛を誓う
「はい」

そのあと会話が切れて沈黙が続いた、私は思わず心の中の気持ちを口に出してしまった。

「蓮さん、私、蓮さんが好き」

「どうした?無理するな、じゃ切るぞ」

スマホが切れた。

この日帰宅した彼は、食事が終わるとすぐ自分の部屋に篭り、仕事を始めた。
深夜零時を回り、彼の部屋に様子を見に行くと、イスで仮眠を取っていた。

「蓮さん、もうおやすみになった方が……ベッドで寝てください、私と一緒が嫌なら私、ソファで寝ますから」

彼は目を覚まし呟いた。

「嫌な訳ないだろう、ベッドを共にしたら我慢出来なくなる、美希を抱きたくなっちまうからな」

思いがけず彼の本音が漏れた。
彼は我慢していたんだ、私が拒絶したから、私の心は彼にはないと思い込んだのである。

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