もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


「海花、もういいよ」



ステージ上にいるミルキー様が、私と目線を近づけるようにしゃがみ込んで……



「ずっと隠していてごめんね。実はもう、生徒みんなにバレているんだ。俺の正体」



苦しそうな瞳で、私に微笑んできたから……



「うそ……ですよね?」



信じられない私は、涙目でミルキー様を見つめることしかできない。



私は一生懸命、嗚咽交じりの声を絞り出す。



「いつ…から……です…か?」


「俺たちがこの学園に入学して3日目。海花が俺の耳を手で隠してくれた時だよ。その時にはすでに、みんなにバレていたんだ」



そんなに前から?


でもミルキー様は、そんなこと一言もおっしゃってなくて……


ミルキー様の耳を私が必死に隠すたびに「みんなにバレなかったのは海花のおかげだよ。ありがとう」って、最上級の笑顔で微笑んでくれて……



それも全部、嘘だったのですか?


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