もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
もふかわ王子の悲しみ
☆琉希side☆
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幸せ。
それは簡単に壊れるらしい。
なんの前触れもなく。
心が切り刻まれるくらい残酷に。
今の時間。夜の10時45分。
自分の部屋のソファに座り、ドアをじっと見つめる俺。
いつもならノックの音がする時間。
コンコンって。
優しい音が響いたら、俺は満面の笑みでドアを開けていたんだ。
大好きな子を、俺の部屋に閉じ込めたくて。
夜の11時。
俺はいつも、真っ白なポメラニアンの姿になる。
海花のナデナデで寝かしつけてもらうために。
けれど……
今夜は、俺を幸せな眠りへと導くお姫様は現れない。
当たり前だよね?
誰よりも繊細な海花の心を、俺がナイフでめった刺しに切り刻んでしまったんだから。