もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
嬉しかった。
――今すぐ俺の部屋に閉じ込めて、ぎゅーって抱きしめたい。
そんな、ハートが震えあがるような幸福感に包まれて。
その時俺は、決意をしたんだ。
今夜、海花に言おう。
俺の気持ちをちゃんと伝えよう。
『俺も海花のことが大好きだよ』って。
月見家の純血の子孫を増やす、俺の宿命?
そんなものに、縛られる必要はない!
俺の人生は俺だけのものだから!
そう思い直して。
それなにの……
お昼休み。
父さんからの電話で、婚約者の話を聞かされて。
俺たちは、電話ごしで大げんか。
『俺は海花が好きです! 他の女の子じゃダメなんです!』
『何度も言ったはずだ。人間とは絶対に結婚させない!』
『月見家の純血を受け継いでいく責任を、俺だけに背負わせないで! 一人息子だからって、父さんの思い通りに従わせないで! 俺だって幸せになりたいんだよ!』
『お前は、自分がこの世で選ばれた特別な存在だってわかっていない! 日本の未来も、犬族の獣人の未来も、お前に託されているんだ!』