もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


『俺は海花と一緒にいたい! 大好きな人の側にいて、一生守ってあげたいこの気持ち、父さんだってわかるでしょ? 母さんのことが好きだから結婚したんでしょ?』


『母さんは犬族の獣人だ。人間ではない。なんの問題もない』


『じゃあ母さんが人間だったら、父さんはどうしてた? 好きって気持ちを押し殺して、月見家のために人生をささげてた?』


『月見家に生まれた者の宿命だ。従うのは当たり前だろうが!』


『大好きな子がいるのに、別の人を愛する努力をするなんて俺にはできない!』


『黙れ、琉希!』


『……っ』


『できないじゃない、やるんだ!!』




スマホから聞こえた、父さんの怒り狂うような罵声。



『琉希がもし私に逆らうのなら、覚えていろ! 海花も海花の父と母も、闇に突き落としてやるからな!』



恐怖を与えて、子供を従わせる。

そんな高圧的で傲慢な怒り声が、俺の耳を容赦なく貫いてきた。

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