もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


私は席を立ち、机に寝そべるゆら君の背中に向かって頭を下げる。



「ごめんなさい。私の席、お昼休みになるとうるさいですよね?」


「……別に」


「えっ?」

 さっき、やっと静かになったと漏らしていたような。


「……謝って欲しいとか……思ってないし」



相変わらず、声のトーンは抑揚無し。

机に伸びたまま顔を私と反対側に向けているので、表情は見えませんが。

無表情ではないかと推測できます。



「そう……ですか……」



謝ったことですし、私は席に戻りますね。



「一ついい?」



ん? 



ゆら君がゆっくりと、上半身を起こしました。

長い髪で目は見えませんが、私の方に顔を向けてくれています。



「それってクセ? 副会長の」


「えっと、、、クセというのは?」


「笑ってるでしょ? 楽しくない時も」



「……えっと」



なんて答えればいいのでしょう?

確かに悲しい気持ちの時も、私は笑ってその場をやり過ごしていますが……

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