もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


「顔の筋肉、無駄に動かすのダルくない?」


「でも母に、いつも笑顔でいなさいと教わりましたし……」


「副会長の笑顔見てると、俺の体力が吸いとられる」


「えっ?」


「俺に変な呪いをかけないで」



表情筋を一切動かさない、ゆら君。



「午後の授業、マジだるい」



ぼそぼそ声を吐き出し、また机に突っ伏してしまった。

私を拒絶するかのように、背中を私に向けている。




そうだったんですか……


今まで気づきませんでした。

私の笑顔は、人に呪いをかけていたんですね。


発覚してしまった、衝撃的な事実。

友達に笑顔を向けるのが、急に怖くなってしまいました。

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