もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「ゆら君と……約束……ですか……?」
「俺に助けて欲しい時は、ちゃんと意思表示をして」
「えっ?」
「泣きたくなったら、両手で横の髪をこすること」
「こう……ですか?」
私は頬に垂れる左右の髪。
親指と人差し指でつまみ、それぞれこすってみた。
「忘れないで。それが困った時のサイン。見つけたら俺が、副会長の机を全力で蹴り倒すから」
相変わらず無表情のゆら君に、とんでもないことを言われてしまいましたが……
ひぃえぇぇぇぇ!
そそそ…それはやめてください!
机なんか蹴り倒されたら、クラスのみんなから大注目を浴びてしまいます!
私は大丈夫ですから。
綾芽さんに何を言われても、耐えるようにしますから。