もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


「ゆら君と……約束……ですか……?」


「俺に助けて欲しい時は、ちゃんと意思表示をして」


「えっ?」


「泣きたくなったら、両手で横の髪をこすること」


「こう……ですか?」



私は頬に垂れる左右の髪。

親指と人差し指でつまみ、それぞれこすってみた。



「忘れないで。それが困った時のサイン。見つけたら俺が、副会長の机を全力で蹴り倒すから」



相変わらず無表情のゆら君に、とんでもないことを言われてしまいましたが……


ひぃえぇぇぇぇ!

そそそ…それはやめてください!


机なんか蹴り倒されたら、クラスのみんなから大注目を浴びてしまいます!



私は大丈夫ですから。

綾芽さんに何を言われても、耐えるようにしますから。

< 149 / 269 >

この作品をシェア

pagetop