もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
伝えたい想い
☆海花side☆
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放課後になりました。
自分の席の前に立ち、机の中の教科書を取り出す私。
――早く帰って、猛勉強をしなくては。
高校受験のために。
カバンに教科書とノートを詰めこむ。
私は微笑んではいるものの、心の中は冷や汗だらけです。
なぜかと言いますと……
この学園は、中高エスカレーター式。
他の高校を受験する生徒は、ごくわずか。
受験組の中で、私はかなりの後れをとっているんです。
他の皆さんは、入学当時から必死に受験勉強をされてきた方達ばかりなので。
そして、問題がもう一つ。
受験したい高校が、まだ決まっていません。
私はずっと、月見家のメイドをしてきました。
ミルキー様にお仕えすることだけが、生きがいでした。
その生きがいがなくなってしまった今。
私は何を心の灯として、どんな未来を歩んでいけばいいのでしょうか?