もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


「綾芽さんごめんね。今から、生徒会選挙のことで打ち合わせがあるから」


「琉希君と一緒に帰れないの? そんなのイヤだよ~」


「今日中に、何とかしないといけない案件なんだ。わかってもらえるかな?」



ミルキー様は、優しいお兄さん顔で微笑んでいる。

でも綾芽さんは、全く納得していない様子。



「別に、琉希君がやることじゃなくない?」


「俺は生徒会長だからね」


「トップは下っ端に、仕事を回すものでしょ? やらせないと部下が育たないって、パパがいつも言ってるよ。そうだ、海花ちゃんに任せちゃおうよ」


「……えっ?」


「今から琉希君のお部屋に行きたい~ 琉希君だって、今すぐ綾芽と二人だけになりたいでしょ?」



ハートをミルキー様に飛ばす綾芽さんから、私は視線を逃がす。

そして床を見つめ、深く考えてみました。


ミルキー様は、生徒会長として働きすぎです。

学校のことに限らず、ありとあらゆる面で頑張っている方です。

月見財閥の御曹司という重い責任を、小さなころから背負い続けていらっしゃいます。



だから……

私にできることは……


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