もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「ちょっときて」
生徒の波に逆らいながら進む、私たち。
この状況がよくわかりません。
でも足が勝手に動いてしまうのは、人恋しいからでしょうか?
長い階段を上る。
私の手首が、がっしりと掴まれたままで。
階段を上りきったドア。
プレートには、『音響ルーム』の文字が。
「入って」
促されるまま、部屋に足を踏み入れた私。
ドアが閉まり切った瞬間、私は固まってしまいました。
目も口も見開き状態で。
だって……
私の手首を掴んだままの美記ちゃんが、悔しそうな顔で涙を流していたから。
「どっ、どうしたんですか?」