もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
ミルキー様の凛とした瞳が、私の瞳を貫いてくる。
私は耐えきれなくなり、絡んでいた視線をほどいた。
「ねぇ気づかなかった?」
「何を…です…か?」
「海花は毎晩、俺の部屋に来てくれたでしょ? 俺が無駄にしっぽをフリフリ振るのは、俺だけを見てっていうアピールだったんだよ」
そう、だったんですか。
全く気づきませんでした。
きっと幸せ過ぎて、五感がマヒしていたのだと思います。
ミルキー様のお部屋で二人きり。
毎晩、ドキドキしっぱなしだったので。
「完全な犬の姿で海花に頬をこすりつけていたのだって、マーキング。俺の匂いを海花につけて、他の男が近寄らないようにしたかったから」
優しく微笑んだミルキー様は
「まぁ人間の嗅覚じゃ、俺の匂いなんて感じないだろうし。無意味だったんだけどね」
照れた様に、ちょっとだけ舌を出している。