もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない




ミルキー様の凛とした瞳が、私の瞳を貫いてくる。

私は耐えきれなくなり、絡んでいた視線をほどいた。



「ねぇ気づかなかった?」


「何を…です…か?」


「海花は毎晩、俺の部屋に来てくれたでしょ? 俺が無駄にしっぽをフリフリ振るのは、俺だけを見てっていうアピールだったんだよ」



そう、だったんですか。

全く気づきませんでした。


きっと幸せ過ぎて、五感がマヒしていたのだと思います。


ミルキー様のお部屋で二人きり。

毎晩、ドキドキしっぱなしだったので。



「完全な犬の姿で海花に頬をこすりつけていたのだって、マーキング。俺の匂いを海花につけて、他の男が近寄らないようにしたかったから」



優しく微笑んだミルキー様は


「まぁ人間の嗅覚(きゅうかく)じゃ、俺の匂いなんて感じないだろうし。無意味だったんだけどね」


照れた様に、ちょっとだけ舌を出している。

< 191 / 269 >

この作品をシェア

pagetop