もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
私に抱いてくれていた恋心。
今は綾芽さんに、恋熱が移っているのですね。
『海花のこと、大好きだったんだよ』
ミルキー様がささやいてくれた愛の言葉も、過去形でしたし。
私の恋は、もう叶いません。
悲しいですが、それでいいんです。
大好きなミルキー様と、両想いだったことがある。
その事実だけで、私は幸せですから。
私は心から微笑むと、丁寧に頭を下げた。
「ミルキー様の気持ちが、本当に嬉しかったです。私はその思いを心の宝箱にしまい込み、この先も前を向いて生きていきます」
「俺も一緒だよ。海花が俺を好きでいてくれた。それだけで心が満たされているから」
「婚約パーティー、今週末ですね」
「まさか中3で、婚約させられるとは思わなかったけど」
「綾芽さんと幸せになって下さいね」
「あっ……ああ。海花がこの先、素敵な人に巡り合えることを、俺も祈っているよ」
「ありがとうざいます」