もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
私はガーデンをキョロキョロ見回してみました。
あっ、いました。
綾芽さんは糸の先に結ばれた風船たちを浮かばせながら、こっちに戻ってきます。
赤、白、ピンク。
20個ほどの風船がユラユラと揺れていますが……
綾芽さんは私のところに来ると、風船の束を差し出してきました。
「これ、あげる」
「この風船は……一体……」
「当然でしょ? 友達にプレゼントを贈るのは」
……友達?
「あげたくなっちゃったの。海花に」
……海花? 呼び捨て?
「何キョトンとしてるのよ」
「だって……私のこと……友達だって……」
「海花が言ったんじゃん! 私と仲良くしたいって」
私のことを、友達として認めてくれたということですか?
「私は極度のワガママ獣人なの。人間にいじめられたことを思い出すと、海花に泣きついて昔のトラウマを語りまくると思うけど、本当にいいわけ? ウザすぎること間違いなしだよ。 そんな私が……海花と……友達になっても……」