もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「海花、覚えておいてね」
春風みたいな優しい声。
「俺がみんなに笑顔を向けることができるのは、海花がそばにいてくれるおかげだからね」
まるで花びらがふんわりと開いたよう。
私の目の前に、柔らかい笑顔の花が咲いている。
私だけに微笑んでくださったミルキー様。
このキラキラな笑顔をスクショして、私の心の宝箱の中にしまっておきたいな。
そんな願望に支配されてしまうのは、もはやしょうがない。
ポンコツ気味の私の記憶力に、お願いしてみよう。
『ミルキー様の今の笑顔。何万回も脳内で再生できるように、脳に刻み込んでください!』と。
キュンキュンで私の体が震える。
手なんて、ペンを持っていたら落としそうなほどブルブルブル。
……えっ? 手?
興奮して、なぜか忘れていましたが……
私の手首、大好きなミルキー様の手のひらに包まれたままなんですけど!!