もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
俺は壁に両手をつく。
壁と俺に、挟まれてしまった海花。
ストーレートの髪をびくりと跳ね上げた後、やっと逃げるのを諦めたみたい。
静かにうつむき、耳まで真っ赤に染めている。
「俺から逃げられると思った?」
甘い甘い声に。
ちょっとだけ、いじわるっぽさをプラスする俺。
「大好きな人と両想いなんて……まだ信じられなくて……。
部屋に二人きりですし……。
心臓のバクバクがうるさくて……恥ずかしくて……。
でも幸せで……。でも逃げたくて……」
なにこの……可愛すぎる生き物は!!
俺は両手壁ドンの状態から、片手だけを外す。
そしてその手で、燃えるように火照る自分の顔を隠した。