もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


俺は壁に両手をつく。

壁と俺に、挟まれてしまった海花。


ストーレートの髪をびくりと跳ね上げた後、やっと逃げるのを諦めたみたい。

静かにうつむき、耳まで真っ赤に染めている。



「俺から逃げられると思った?」



甘い甘い声に。

ちょっとだけ、いじわるっぽさをプラスする俺。



「大好きな人と両想いなんて……まだ信じられなくて……。
 部屋に二人きりですし……。
 心臓のバクバクがうるさくて……恥ずかしくて……。
 でも幸せで……。でも逃げたくて……」



なにこの……可愛すぎる生き物は!!


俺は両手壁ドンの状態から、片手だけを外す。

そしてその手で、燃えるように火照る自分の顔を隠した。

< 261 / 269 >

この作品をシェア

pagetop