もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


オロオロを鎮めたい私。

「はぁ~はぁ~」と深呼吸を数回。

胸まで伸びる私のストレートの髪が、深呼吸のたびに大きく揺れる。


よし、心が静まりました!

と、なったははずでしたが……


平常心を取り戻したのは一瞬だけ。

こりずにまた、ミルキー様を瞳に映しちゃった。

胸キュン・バクバクが再燃です。



それにしてもミルキー様は、見目麗しすぎ。

優雅な王子様みたい。

童話の中からひょこっと出てきちゃったような。



『ミルキー様が、私だけの王子様になってくれたら……』



そんな甘い願いを抱いているのは、私だけじゃないんです。

ステージの下には、目をハートにして、うっとり顔を浮かべている女子達。

彼女たちの視線の先はもちろん、マイク台の後ろに立つミルキー様。



女子達の目を覚ますかのように、男子が大声をあげた。

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