もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「なんでミルキー様は、生徒集会中にわんこ獣人化しちゃったんですか?」
「わんこ獣人って、焦ると耳が出ちゃうって聞いたことあるけど。焦る場面でもなかったような」
入学して日が浅い中学一年生たち。
そんな生徒たちからの初々しい質問。
先輩面をしたい数晃が、声を弾ませる。
「まぁこれは、俺の推測だけどさ。好きな子への気持ちがたかぶると、琉希は耳が出ちゃうみたいだね~」
「学校で琉希君がわんこ獣人化しちゃうときって、必ず海花ちゃんが近くにいるよね?」
「確率高くない?」
ミルキーと海花を2年以上も観察してきた、中3女子達からのハテナ。
今度は美記が凛とした声を返した。
「海花が台本を落として、男子に拾ってもらったでしょ? そのせいだよ」
「もしかして……琉希様の嫉妬?」
「正~解~!ミルキーってね、穏やか人間なんだけど海花のこととなるとダメダメでね。海花が他の子にとられないか心配で心配で、たまらないんだよ。まぁ二人とも、恋心を誰にもバレないように隠してて私にも話してくれないから、憶測だけどね~」