もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「海花はミルキーを守ろうと必死で、自分が抱きしめているなんて思っていなかったんだろうね」
美記の言葉に、悲鳴がさらにヒートアップ。
「ひゃぁぁぁぁぁ~ 心臓苦しい~」
「想像しただけで悶え死んじゃう」
「生で拝みたかったです~」
な~んて、涙目で飛び跳ねる人だらけ。
もうこの場には、男も女も、先輩も後輩もない。
学園のみんなが琉希と海花の恋を応援して悶えまくる、同志なのだ。
台本を拾い上げたボーイが、1年生らしい質問をこぼした。
「数晃様、二人は両想いですよね?」
「それがさ、鈍感王子とニブニブ姫の組み合わせなわけ。お互いの気持ちに全く気付いてないんだわ~」
「マジですか? 入学したての俺でも、好き同士だってわかりましたよ」
「だよな~」
「それなら、数晃様が教えてあげればいいと思うんですけど」
「ああ……それね……」
「何か問題があるんすか?」