もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
言葉を詰まらせた数晃。
辛そうな顔で天を仰ぐ。
「まぁ~言えないよね。俺はわかっているからさ……あの二人の恋の結末がBADENDだって……」
24時間陽気な数晃が、表情を曇らせている。
数晃をフォローするように、美記が悲しげな声を響かせた。
「ミルキーと海花は、絶対に結ばれないんだ。かわいそうなことにね」
「なんですか?」
「ミルキーはわんこ獣人だから」
「でも美記様。今の法律なら、わんこ獣人と人は結ばれますよね? 私が実際に会ったことがある獣人はミルキー様だけで、あとはテレビでしか見たことがないけど。芸能界で活躍しているわんこ獣人で、人間と結婚している人だっているし」
「まぁ~、そうなんだけどね」と、目を伏せた美記。苦しそうに言葉を吐き出す。
「ミルキーは御曹司。月見財閥の一人息子でしょ? あいつはね、犬獣人としか結婚できないんだよ。純血の子孫を残すこと。それが月見家の掟だから」