もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「人間の海花様は、お嫁さんにはなれないってことですか……」
「そういうこと」
「かわいそすぎます……」
「だよね~ あんなにお似合いなカップルなのにね…… はぁぁぁぁ~」
悲しげに瞳を揺らす美記が、深い溜息を吐いた。
じっとりとした重苦しい空気が流れだし、生徒たち全員が黙り込む。
絶対に結ばれない琉希と海花。
二人とも本当に良い人だってわかっているから、みんなの心がズキズキと痛んでしまうんだ。
沈んだ空気。
うつむく生徒たち。
それを見かねた数晃が、暗い空気を一掃させようと両手をパンパン叩いた。
「ほらみんな、暗い顔しないの。だから俺たち裏ボス&裏姫がいるじゃんか!」
数晃の言葉で、ハッとなった美記。
私が悲しんでちゃダメだと思いなおし、ヤンキー感少なめなマリア様スマイルをみんなに振りまく。