もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


「人間の海花様は、お嫁さんにはなれないってことですか……」

「そういうこと」

「かわいそすぎます……」

「だよね~ あんなにお似合いなカップルなのにね…… はぁぁぁぁ~」


悲しげに瞳を揺らす美記が、深い溜息を吐いた。

じっとりとした重苦しい空気が流れだし、生徒たち全員が黙り込む。



絶対に結ばれない琉希と海花。

二人とも本当に良い人だってわかっているから、みんなの心がズキズキと痛んでしまうんだ。



沈んだ空気。

うつむく生徒たち。

それを見かねた数晃が、暗い空気を一掃させようと両手をパンパン叩いた。



「ほらみんな、暗い顔しないの。だから俺たち裏ボス&裏姫がいるじゃんか!」



数晃の言葉で、ハッとなった美記。

私が悲しんでちゃダメだと思いなおし、ヤンキー感少なめなマリア様スマイルをみんなに振りまく。

< 39 / 269 >

この作品をシェア

pagetop