もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
俺は心臓に手を当てる。
海花が思い描く、完璧な王子様を演じきらなきゃ!
俺のことを大好きになってもらいたいから。
そんな欲深い思いを胸に、俺はドアを開け、優雅な微笑みを海花に向けた。
「待っていたよ」
声もできる限り甘々に。
ミルクチョコを溶かしたように、甘さを響かせる。
「今晩も、お邪魔いたします」
海花は焦ったように、お辞儀をした。
あれ?
今夜の海花は何かが違う。
俺の部屋に来るとき、緊張しているのはいつものことだけど。
笑顔がないというか……
視線すら合わせてもらえていないというか……
視線を床に落としている海花。
違和感はあるものの、俺は海花を部屋の中に招き入れる。
部屋の中に進む海花。
すると急に、驚き顔を浮かべた。
俺の勉強机に何かある?