もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない



あぁぁぁ、ダメだダメだ。

海花が俺の恋人になる妄想なんかしたら!

余計に大好きな人に触れたくなるから!


欲を捨てよう。

煩悩を手放そう。


俺はまだ中3。

犬獣人と結婚するまで、最低でも3年以上はある。


それまで海花とは『ご主人様とメイド』『仲のいい幼なじみ』

そんな分別のついた関係を保たなくては!


獣の血が流れる俺が、恋に暴走しないか心配ではあるけれど……




「あの……ミルキー様……」



不安げな海花の声に、俺はハッと顔を上げる。



「中学卒業後のことは、考えていますか?」



海花の憧れる王子様でいたくて、俺は顔面に余裕のある笑みを貼りつけた。

< 66 / 269 >

この作品をシェア

pagetop