もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
あぁぁぁ、ダメだダメだ。
海花が俺の恋人になる妄想なんかしたら!
余計に大好きな人に触れたくなるから!
欲を捨てよう。
煩悩を手放そう。
俺はまだ中3。
犬獣人と結婚するまで、最低でも3年以上はある。
それまで海花とは『ご主人様とメイド』『仲のいい幼なじみ』
そんな分別のついた関係を保たなくては!
獣の血が流れる俺が、恋に暴走しないか心配ではあるけれど……
「あの……ミルキー様……」
不安げな海花の声に、俺はハッと顔を上げる。
「中学卒業後のことは、考えていますか?」
海花の憧れる王子様でいたくて、俺は顔面に余裕のある笑みを貼りつけた。