もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「中学を卒業したら、もちろん虹の宮高等部へ進むよ。中高とエスカレーター式だし。俺が一番学びたい授業もあるからね。海花もでしょ?」
「えっと……」
ん?
「はい、そうですね」
あれ?
いま一瞬、海花の瞳が陰ったような……
「俺は高校生になっても、生徒会に入りたいな。中等部よりも文化祭が華やかで、盛り上がるって聞いているよ。そうだ。また一緒に生徒会選挙で立候補しよう。俺が会長で、海花が副会長。ねっ、どうかな?」
「フフフ、いいですね。またご一緒できたら、楽しそうです」
海花の笑顔が戻っている。
胸まで伸びたサラ艶髪を、ふんわりと揺らしながら。
ニコニコって。
やっぱり、さっきのは俺の見間違いか。
心配しすぎだね。
俺は海花のこととなると、ちょっとしたことでも不安視しちゃうところがあるから。