もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
目をつぶった俺を確認して、海花は俺の体を優しくなで始めた。
心地よくて気持ちいい。
俺の至福の時間。
友達にいじめられていた頃、俺は不眠症だった。
その日に友達に投げつけられた心無い言葉が頭の中をグルグル回って、寝付けなかったんだ。
毎日寝不足。目の下のクマが酷い。
そんな俺を見かねた海花。
小学校に入ったくらいからかな。
夜になると海花は俺の部屋に来て、おしゃべりをしてくれるようになった。
俺の心のどす黒い闇に、光を当てるためだと思う。
その日に自分がやらかした失敗を、海花は面白おかしく話したり。
俺を笑わせるために、毎日、トークメモまで用意して。
俺がムスッとしていても、海花のトークに全くリアクションをとらなくても、笑顔を絶やさずにおしゃべりし続けてくれた海花。
寝る時間になると、海花の膝の上で丸くなるポメラニアン姿の俺を、なで続けてくれる。
「私はミルキー様の味方ですから」
優しく励ましながら。
俺が眠りにつくまでずっと。
そのおかげで俺は、いじめられる日々から抜け出すことができたんだ。