もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない


自分のことを一番大事にかぁ。

海花に伝えたい言葉だなぁ。


だって海花は、今朝も大忙しだったんだよ。


早起きをして、俺のお弁当を作って。

このお庭の草花の手入れをして。

俺の背よりもはるかに高い脚立に乗って、屋敷の窓磨きまでしていたし。

過労死しないか心配だよ。



「窓のお掃除なんて、海花の仕事じゃないでしょ?」



そう俺が言ったら、なんて答えたと思う?



「私の憧れの一流メイドは、どんなところもピカピカにしてしまうんですよ」だって。


「学校に遅れないようにしますので、今は私の修業タイムだと思って見過ごしてください」って、頭を下げられちゃったし。



そんなこと言われたら、「窓掃除、よろしくね」って微笑むことしかできないよね。


だって俺は、海花のことが大好きだから。

嫌われたくもないし。

海花のやることに口出しする傲慢男にもなりたくない。


本当はもっと、体を休めて欲しいんだけどなぁ。

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