もふかわ生徒会長は、求愛コントロールができない
「遅くなって、申し訳ありません~」
胸まで伸びるストレート髪を、大きく左右に揺らす海花。
申し訳なさそうに眉を下げ、一生懸命走ってくる。
遅れていないよ。
むしろ普段の時間より早いし。
そんなに慌てて走らないで。
海花の体力ゲージが、朝からグググ―って下がっちゃうでしょ?
車まで来ると、海花は息を整え、礼儀正しくペコリ。
「ミルキー様、お待たせいたしました。柿崎さん、今朝も学校までよろしくお願いします」
海花のお辞儀は、まるでお嬢様教育を受けているよう。
背筋ピンで、しなやかで。優雅なお姫様みたい。
俺よりも社交場が似合いそうだなぁ。
海花のドレス姿、絶対に可愛いよね?
今度お呼ばれのパーティーがあったら、ドレスアップした海花を連れて……行って……
いやいや、早まるな。
海花の可愛さを、世に知らしめる?
そんな危険行動は、自分の首を絞めるだけ。
世のお金持ちイケメンたちに、海花が狙われてしまうではないか!