あの日のこと

最初で最後

 僕には幼馴染がいる。
 そんなその幼馴染は、僕とは正反対の人間で、明るく誰にでも優しく接することができる人間だ。

 「さっくん、起きてよ!朝だよー」

 「うぅん、後、5分……グゥ」

 僕はそう言ったところで、いつも起こしに母とは違う声に微睡みながらも違うと思い飛び起きる。
 何故かそこにいたのは幼馴染の華梨菜だった。しかも、エプロンまでつけいた。頭の中が、?でいっぱいになる。そこで訳を聞くと僕の母に急な仕事が入ったからということらしい。

 「ほら!早く準備して!朝ごはんも作ったから食べて!」

 「うぐっ!」
 
 彼女はそういうと卵焼きを口に押し込んできた。僕は危うく喉に詰まらせそうになりながら、咀嚼すると、めちゃくちゃ口の中で謎の味が暴れ始める!
 僕は慌てて、昨日買ってたアクエリアスで流し込む。

 「おい!げほっ、何を入れたん?卵焼きに」

 「えっと……一味入れすぎたから、砂糖をたくさん。えへへ」

 「えへへっじゃない!お前は加減を知れ!加減を!」

 そう言い合いしながら、僕と華梨菜は、家の玄関を開けた。

 こいつには恥ずかしくて言えないが、僕は華梨菜のことが小学の頃からずっと好きだった。
 けど、僕とは正反対の人間だから釣り合わないと思ってるし、先ほども言ったが恥ずかしくて言えないのが現状である。

 しばらくして、華梨菜の通う学校に着いた為、その場で別れた。
 僕は、1人歩きながら、溜息をついた。

 「ハァ、僕はいつになったら気持ちを伝えれるんだろ……」

 僕が横断歩道を渡り終わったところで華梨菜の声が聞こえた。

 「さっくん!お弁当渡すの忘れてた!」

 僕はふと信号を見ると、赤だった。
 華梨菜はそんなことに気付いてないらしく飛び出してしまった。

僕が慌てて知らせようとしたが、間に合わず、華梨菜は車に追突されてしまう。




「んんー!もう朝か、おはよ、華梨菜。ん?まだ寝ててよかったって?可愛いから?そんなふうに僕をからかわないの。」

 華梨菜は、車に轢かれたものの、奇跡的に軽傷だったため、後遺症も残らなかった。
 この経験をして僕は後悔がないように華梨菜が退院した後告白をし、現在は結婚もし、子供にも恵まれ、幸せに暮らしている。
  
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