君にかける魔法
ほら、友達も喜んでくれた。

全部良い方向に進んでると錯覚しながら、息をしてた。





やばい、頭、痛い…
吐き気がする…
あれ、付けてた…?

朝起きると、あまりの気持ち悪さに私はトイレに駆け込んだ。

お母さんと妹が家を出たのを見計らい、私は薬局に向かう。

誰にも心配をかけたくない。

学校は行かなきゃ、と思い制服は着ていた。

薬局の店員さんの視線。
大丈夫。そう見られるのは承知の上だ。



恐る恐る妊娠検査薬を見る…



「陰、性……」



学校のトイレで安心する。
ほっとすると涙が溢れてきた。

紙袋に検査薬を入れ、それをカバンの奥底に入れた。

あまりに沢山の涙が出てくるから、私はトイレから出られなかった。

でも1つ思い出した。
この時間は体育。
教室には誰もいない。

今のうちに戻って、普通に次の時間から参加しよう。
教室の方が勿論匂いは無いし、寝れる・落ち着ける。

とぼとぼとした足取りで私は教室に向かう。
そして、席に着いた途端

意識が途絶えた。









夢を見た。

その世界の私は幸せそうに笑ってた。

そんな顔、出来るの、私。

誰かの髪の毛を梳かしてる。

白いモヤがかかって、顔があまり見えないな。

でも希望に満ち溢れて、

あれ、あの金髪…

幸せそうに笑う2人。
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