君にかける魔法
4人でケーキをつつき合いながら食べた。

こんなに幸せで良いのかな。

自然と目から涙がこぼれた。

「モモ、ケーキの味しなくなっちゃうよ?」
「これでふいてふいてー」
「ほらほらーモモおいでー」

3人が大好きだ。






「コンビニ行ってこよっか。チキン食べるでしょう?」
「いいね!クリスマスだし、」
クルミが思い出したかのようにそう言う。
続けてハルカも相槌を打つ。

「じゃ、私も…」
「ナツキは家の主のお留守番してなさい。…少し離れた場所なら電気もう復旧してたし、行ってくるわ」

私とナツキを置いて、クルミとハルカはあっという間に外に出た。



「モモ、元気そうでよかった」
「うん。みんなの顔みたら、元気になっちゃった…」

2人には広いリビングに気まずい空気が流れる。
…さっきまで普通に話していたよね
いつもは饒舌になったり、周りを盛り上げたりするのにと、少し頭によぎった。

「あのさ、」
「どうしたの?」

「助けてくれてありがとう。」

そういえば、面と向かってしっかりお礼をしていなかった。
ナツキと青葉さんの身長は余り変わらなかったけど、女子だし、怖いはずなのに、

きっと私だったら誰か人を呼んできたりする。
人に頼ってしまうところだ。

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