君にかける魔法
だけど、モモは学校に来なくなった。

もっと自分が異変に早く気づいて、なにかしてあげられていたら、
後悔ばかりした。


「…今週はクリスマスでー、…町は」

二学期が終わる。
日に日に寒さが増す。
モモからのLIN○の返信は無い。

私はテレビのニュースをぼーっと眺める。

ケーキ、


ケーキっ!!



私は2人にLIN○を送った。

1人はクルミ。

もう1人は、


『親戚の家に行くからそっちに帰るよ』


ハルカ。

また出会った頃みたいな気持ちで、楽しく、

少しでも元気を出して欲しいと思った。

全て嫌なことをリセットして。


2人とも直ぐにOKしてくれた。


当日3人で集まり、ケーキを買ってモモの元へと向かう。

「この辺り、電気…」
「多分停電してる…」

WEBニュースではこの辺りの一部、
モモの家の辺りが停電していると私たちはすぐに把握した。

こんな寒い時に停電とか、モモ凍え死んじゃうよ。
あんな小さな子、放っておけるわけない!

とてもつもなく寒い外を歩いていく。


モモの家の前に着いた。



「モモーーーーーッ!!」



私は叫んだ。

窓の外からひょっこり小さな顔が出た。

「モモ!」

モモは家の中に引き返した。

数秒経つと、家のドアがガチャっと音を立てる。

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