君にかける魔法
伝えられた…。


「始めてモモを見た時から、私にとってモモは何も無い人間じゃないよ。」

ナツキが笑顔を見せる。

「んじゃ、勝負ね」


私の手の上に置いた、手の人差し指でトントンっとリズムを刻むように動かす。


「次会う時には、夢叶えておこうか」


「…うん。…負けない。」


顔が近づく。

優しい口付けを交わした。



私たちは手を繋いで教室を出た。




何年かかってもいい。

いつか成長した私たちで会えた時、


何を話そうかな。



私はあなたを思いながら、そんなことを考えていた。
















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